本記事は当事者の公式発表を紹介するもので、当センターの仲介・成約実績ではありません。埼玉県久喜市の製造拠点に関する事例を、川口周辺の製造業が承継を考える参考として掲載しています。
掲載画像はイメージです。実際の工場・当事者・成約の様子を示すものではありません。
2022年8月に公表された生産事業の譲渡
資生堂は2022年8月1日の発表で、久喜工場とベトナム工場で営むパーソナルケア製品の生産事業を譲渡すると説明しました。目的として、ファイントゥデイ資生堂(当時)の生産と販売を一体にする体制を挙げています。これは発表時の方針であり、将来の業績や投資成果を保証するものではありません。
久喜は会社分割の後に新会社の全株式を譲渡
久喜の対象事業は、資生堂から吸収分割により新会社へ承継させた後、新会社の全株式を株式会社Asian Personal Care Holdingへ譲渡する予定と公表されました。発表時点では関係当局の承認取得等が条件とされていました。工場不動産だけの売買として要約せず、事業の移転と株式の譲渡を分けて読む必要があります。
同じ発表に登場するベトナム工場は、運営会社の全持分を譲渡する予定とされ、久喜とは取引の形式と予定時期が異なります。二つの拠点を一つの取引日や同じ手続きにまとめないことが、この発表を読む際の要点です。
2023年4月に確認できる取得と営業開始
ファイントゥデイは2023年4月3日の発表で、親会社のファイントゥデイホールディングスが久喜工場の生産事業を2023年4月1日付で取得し、株式会社ファイントゥデイインダストリーズの営業を開始したと説明しています。掲載された会社概要では、同社所在地は久喜市清久町5番、事業内容はパーソナルケア製品等の生産とされています。
2022年の予定を、2023年の取得・営業開始の発表と分けて確認できます。上記の二つの発表だけでは、久喜単独の譲渡価格、個別の調査結果、従業員ごとの条件、供給契約の詳細は分かりません。
自社の製造拠点で整理したいこと
以下は本件で行われた作業の説明ではなく、一般的な検討事項です。対象製品、設備、在庫、人員、図面・技術、顧客や外注先との契約について、引き継ぐ範囲を一覧にします。本社と共有する経理、受発注、品質管理、情報システムも、譲渡後に誰が担うかを確認します。
売却後も供給を続けたい製品や、残したい雇用・拠点の条件を整理し、候補先の生産体制と照合します。会社分割や株式譲渡などの方法を選ぶ際は、契約・許認可・労務などに応じた確認が必要です。同じ方式が自社にも合うと決めず、不明点を関係窓口や専門家に確認するための資料にします。
出典
資生堂「パーソナルケア製品の生産事業譲渡について」(2022年8月1日)
ファイントゥデイ「パーソナルケア製品等の生産事業を担う新会社営業開始のお知らせ」(2023年4月3日)
売却を決める前の段階から、譲渡企業向けの相談窓口で相談できます。費用の対象や情報開示の進め方は、当センターの総合案内をご確認ください。







